トロンプルイユ
作詞:三井 拓郎・izumi
作曲:三井 拓郎
編曲:pertorika

明日にはもうこの町に 別れを告げる僕の両手には
大袈裟なはがねの剣と 古びて破れた世界地図

「毎日をただ何となく過ごして来たお前にできるのか?」
椅子からは動かない強い王様が吐き捨てた

きらめき落ちる星 泉の渦に消えたら
底に扉があるはずだけど まだ足はすくむばかりだ

地図にない道進む僕は 果てしなく遠く立ち向かうんだろう
風の果てへさらわれた 君の声が聞きたくて
覚えたての呪文を唱え強く願えば そう
怖いものなど何にもないさ 必ず力は返る 僕の元へ

どれくらい日が過ぎただろう 魔物がうごめく迷いの森で
逃げ込んだ洋館に 脱ぎ捨てられた派手なドレス

魔道士放つ毒 力は尽きて 気づけば教会
シスターが「あなたは死にました。もう一度やり直せます。」

奪われた時間は隠れた夢の出来事 忘れ去り
また空へ投げた呪文は 跳ね返り谷底へ
地図にない道の向こう 待ちくたびれてるはずさ あくびでもして
胸のたいまつ灯したどり着くよ 君の元へ

もう逃げないと決めた日から 僕は強くてたくましい勇者だ
深く潜む記憶が 背を押した気がした

空飛ぶ船に乗り コンパスの針が示す魔王の城へ
雷鳴叫ぶの闇 引き裂くのは僕の使命
錆びついた剣が 光射す世界までも全て貫き
目覚めた君の涙が最後の呪文になり 夢は終わった

長い長い夜が明けて また町が姿見せたとき 人は争うかもね
勇者はもう疲れ その剣置いたら
わがままお姫さまとぼうけんのしょはきえました